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1月17日

当時中学生だった僕の頭の片隅に、関西の方で大きな地震があったのだというニュースだけが耳に入った。中学生何年だっただろうか。まさか18歳の時に関西の大学に進むとは思ってなかった・・。

2017年、1月17日。

阪神・淡路大震災があったこと。朝からの納品に追われていた。気付かなかったというより、気付けなかった。

関西の大学にて。ゼミの友達と僕の間には、その震災に対しての温度差が確かにあった。それは同時に、2011年、3/11に起こった大震災で僕が感じた死への恐怖を彼らが感じなかったことに通じるのかもしれない。体験したものと、そうでないもの。その差は思ったよりも大きいことを、大学で兵庫に住んだ時に感じたことを思い出す。

思えば、3.11の地震の前に外国で大震災が起こったいた。思えば、何時ぞやの日に、タイの南部で爆破事件が起き、何人も犠牲になった。そして、そのもっとずっと昔には・・、と知っているだけで体験の「た」の字も感じれぬことばかり・・。

どんなに思っても、どんなに想像をめぐらせても、僕は友達の震災への想いには届けなかったのだろう。体験と被体験の間にある想いを感じられるほど、僕は深くはなれなかったのだ。

このごろ真冬を感じる。朝と晩は特に冷える。いつも仕事で使っているカフェの近くにいる交通整備の人。少しながらでも、経験者である僕はその寒さと、足の裏にくる硬さと、肩の動かなさ、そして陽が照った時のありがたさを知っている。

そうなんだ。結局は何もできないのだ。でも、自らの体験したものを。そこで得た想いを。もしかしたらあの人も、という期待に込めてすり寄っている。その辛さを、痛みを、自らの中に留めようとしている。偽善だろうがなんだろうが、痛みを痛みをしてわかろうとしている。

嘘のように綺麗に晴れ渡った午前9時30分。雲が一つもなかった。

中学生のあの時から随分と時がたった。そして、あの時とは僕は違ってる。

あの時からもう、20年以上も経っていることに、そして老いたのだと、時の経過を寂しむその気持ちを吹き消すような今日の青空に。

長い時を経て、自分も人生を歩んでいるのだろうか。時とともに確実に、小さくでも進めているのだろうか。

1995年1月17日。阪神・淡路大震災が起こった時、僕は中学生だったのだと快晴の空に思い出す。

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